光治療についてのメモ

波長が変わると深達度がかわる

また、波長の長さが異なると皮膚のどの層まで届くかの指標である「深達度」が変わります。皮膚は、外側から表皮層・真皮層・皮下組織と層状で構成されていますが、波長が短いほど皮膚の表面で吸収されて、波長が長いほど真皮層まで届きます。そのため同じ波長を用いて治療しても、メラニン色素が存在する皮膚の層が表皮層なのか真皮層なのかによって、効果は変わることになります。

真皮内のメラニンに対しては効果が薄い　光自体が真皮に届いていないわけではないがメラノサイトを破壊するにはピークパワー、熱緩和時間など条件を満たさない一方メラニン単体ではなくこれを有する表費全体としてみると、熱緩和時間を考慮すれば、大きな構造物であるがゆえにパルス幅がミリ秒単位のIPLでも選択制を持ち十分有効であるといえるつまりメラニンを含む表皮に発生した光熱作用による効果である

IPLの作用はphoto-thermal effect

ミリ秒単位の照射でメラノソームを含むメラノサイトとケラチノサイトが熱損傷を受けてかさぶたを作る

かさぶたが取れることでシミが改善

照射の強さによって炎症後色素沈着のリスクが異なる

シミはメラニン吸光度が高い波長をつかって治療

シミ治療ではシミの周辺には熱ダメージが加わらないようにしつつも、シミ自体には熱ダメージが十分加わるようにしなければならない

光治療ではフィルターを選択することで脱毛もできる。レーザーよりもメラニンの破壊力はないものの、照射面積が大きいので広範囲を治療できる。

シミを薄くする治療では、シミの周辺組織にダメージを与えないために熱のダメージがシミだけに留まるようにパルス幅を短くしなければなりません。

一方、脱毛のように毛の周辺細胞にダメージを与える必要がある場合は、その分パルス幅を長くするなど、治療によって適切なパルス幅が異なります。

熱緩和時間とは

熱がターゲット内だけに収まる時間を熱緩和時間といい、細胞やターゲットによって異なります。メラノソームの熱緩和時間内で熱作用を加えると、衝撃波によってターゲットのみが細かく砕かれます。

IPLのしみ治療ではメラノソームの熱緩和時間よりも長い時間のパルス幅になるため衝撃波はおきません。熱で損傷を与える作用にとどまります。